メイキング オブ 「きぼう」.2

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    イベントオープン日より10日前の7月8日、我が工場より分解された「きぼう」の第一便の旅立つ時がきました。
    本物はつくばからヒューストンをへて宇宙ですが、こちらは海老名→幕張です。それでもこの90キロは私たちには遠く、その間のトラック輸送も積み方一つで大惨事になりかねません。一つ一つのパーツをどう運ぶべきかその都度、ドライバーさんと話しながら積むのです。
    次の日から本格的な設置工事が始まるのですが一度に運ぶのにはパーツ数が多過ぎです。その日の作業に合わせた配分で、4日間に分けて運ぶことになりました。
    クレーン付きの20トントラックを一日4、5台手配し、延べ18台分にもなりました。今まで一度にこの規模のトラックを手配するのも初めてです。
    しかもこの期間に台風が日本列島を通過するという事態になり、関東直撃の前日はドライバーさん達に無理を言って前倒してもらうため、一日に二往復してもらう事もありました。



    そのおかげもあり、順調に輸送は行われ、最後の便が着くころは本体の組み立てが終わっている位でした。

    初めてと言えば、私たちの作業のためにクレーン車を手配するということもありました。今までユニック車をレンタルすることはありましたが、保管室を「きぼう」本体の上に乗っけると高さが9メートル弱にもなり、吊りしろを考えるととてもユニックでは対応できず、それで建築現場で見かけるようなクレーン車と専門のオペレータさんにお願いしたのです。そしてそれが今回の現場作業の一番のハイライトでもあります。それさえうまく行けば後はなんとかなるのです。

    プロのクレーンさばきと私たちスタッフの連携プレーで「きぼう」本体の組み立ては順調に進み、問題の保管室に差し掛かりました。
    ミッションはこうです、保管室パネルは下にあるうちに全てを組み立てた後、吊り上げる。吊った時に方向転換が出来ないので、設置場所に下ろした時に正しい方向になるように向きを考えて吊り上げる事。会場中央の天井の梁が邪魔をしてクレーンを思うように動かせられないのもネックでした。

    それと海老名工場では屋根の高さが足りず、全てを組み立てることは出来ませんでした。なので誰も完成形を見たことはありません。誰も想像出来ない様な、全てが備わって始めて出てくる問題もあるかもしれないのです。

    現場にいた誰もが緊張しました。こういう時、人は日ごろの行いの良し悪しを考えてしまいます。今までの自分はバチあたりの人生ではなかっただろうか…最先端技術の賜物の祭典で神頼みです。










    結果としてこのスタッフに極悪人はいなかったようです。一発OKでした。これからも清く正しく慎ましく…

    この後は船外実験プラットフォームと本体、実験装置機がロボットアームで繋がり、他の細かい部品、展示のための仕上げがなされました。多少の作業の前後もあり、引渡し日ギリギリまで作業をしましたが大きな問題はありませんでした。





    気がつけば他の展示もすっかり完成していました。現場に入った頃はまだ何もなかったのに。そして現場最終検査時には片付けも終了し、ご指摘もなく全員で気持ちよくメッセを後にすることが出来ました(そもそも何か問題があればここに誇らしく書けません)。

    弊社では前例もないほどの大きな規模で初めての事も多いなか、無事に終えることが出来たのは色々な分野で関わって頂いた多くの協力会社の皆様おかげです。
    一つの物件でこんなに沢山の方との連携は記憶にありません。弊社HPの隅っこではございますが感謝の意を込めて以下に書き出させて頂きます。

    林鈑金様、ガガンボ様、山下鈑金工業様、グリップ様、重田工芸様、スタジオバニマ様、ハマキョーレックス様、ニッコー様、青木重機様、長棟様。

    本当にありがとうございました。

    こうして振り返ってみると、また同じ規模のものを作れと言われたら怖いような気もしますが、自信にもなったので先ほどの皆様がいれば次の新たな物件もまたなんとかやれると思います。今後ともよろしくお願いします。

    …え!メッセ撤去もあるの?