しんかい等身大|FRP製作のFEIN

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    また等身大です。


    横浜みなとみらいに、日本の科学技術をテーマとした三菱みなとみらい技術館という博物館があります。


    宇宙、航空開発や乗り物、資源やエネルギーなどそれぞれテーマに沿った展示分けがされていて、そのひとつに新しい資源やエネルギーを海底に求めたり深海の神秘を探る為の最新技術を紹介する"海洋ゾーン"というコーナーがあり、3月1日、その海洋ゾーンがリニューアルオープンしました。

    しんかい等身大|FRP製作のFEIN海洋ゾーンの中央に新規設置された"有人潜水調査船しんかい6500"の等身大模型を、昨年のきぼうに続く形になりましたが弊社で製作させて頂きました。

    本体自体全長9.7メートルとこれまたきぼうと同じような規模です。

    総製作量ではきぼうの方が遥かに多いですが。

    中央は映像など展示スペースとして解放した構造になっているので分解された格好になっています。

    主に船首と船尾を詳細に再現してあります。


    しんかい等身大|FRP製作のFEINしんかい等身大|FRP製作のFEIN


    きぼうのときはその素材的にアルミ腹合板を多用しましたが、今回は三次曲面フォルムの潜水艇ですのでオーソドックス(あくまで弊社的にですが)にFRPで行いました。

    とはいえ最終的にFRPになるまで色々な製作方法があります。


    一般的には原型を木工やスチロールで作り、雌型を取り成形する方法ですが今回本体の大部分をスチロールや木工で形を作った物に直接ガラスマットを貼り付け、樹脂で固める方法を取りました。


    主な製作期間だった1月と2月がここ数年で一番の忙しい状態になっていて、大きなものから小さなものまで幾つもの物件が重なっていました。

    ここまで大きな物体の型を取るのは何人ものスタッフが必要ですがそこまでの人数を割けなかったのです。

    先ほどの方法は型取りの工程を省くことができるのです。

    ただ問題はガラスマットの繊維状の表面からツルツルのきれいな表面まで仕上げないとならないこと。

    これはこれで大変でひたすらパテを打ち、サンドペーパーで削り磨く日々…

    製作の殆どを表面仕上げに費やしたのではないかというほどでした。



    もちろん型をとって成形したパーツもあります。

    例えば船首内部のコックピットの球体、「耐圧殻」といいます。

    本物は深海の尋常じゃない水圧で歪んでしまう要素を限りなく少なくするためにかなりの精度で真円に作ってあるそうなので、その正確さは原型を型どりした方がより美しい球体を再現できます。



    因みにこの耐圧殻、球体の直径は2メートルですがこの中にクルー3名が乗り込むそうです。

    その直径の内側チタン合金7センチの厚みとさらに内部に埋め尽くされた計器類で本当に狭いです。

    その中に閉じ籠ったまま6500メートルの深海調査、

    海洋・船舶・潜水の知識意外に
    もしんかい乗員の資質は高く求められるでしょう。

    直ぐとなりの人の貧乏ゆすりが気になり出したなら…
    前の晩の悪酔い続きでケンカでもしようものなら…

    その狭い様子を、この模型も伺うことができます!
    これは等身大模型ならではの醍醐味ですね。

    この模型の見所ですので興味のある方はぜひ三菱みなとみらい技術館へ足を運んでそこに注目してみて下さい。

    それからもうひとつ見所と言えば船首マニピュレーターです。



    精巧に細かく再現されていますがもちろんデータによる機械加工の社外製作(グリップさん)です。

    しんかい6500は1989年に完成(三菱神戸造船所)した25年選手のベテランです。

    その長い月日の中で改造期間を度々設け、その時々の最新技術が投入されました。

    この海老名産しんかいはというと、やはりきぼうの時と同じ、ローテク手作りとハイテクのハイブリッド製品なのでした。